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データ分析記事 / 東京都民の1票は鳥取県民の半分の重さ——都道府県別「一票の格差」を実データで検証

Data Journalism実データ由来(グループA)

東京都民の1票は鳥取県民の半分の重さ——都道府県別「一票の格差」を実データで検証

実際の2020年国勢調査人口と現行289議席の配分から、都道府県ごとに議員1人あたりの人口を算出。最も「軽い」東京都と最も「重い」鳥取県の差は2.03倍——「10増10減」でどこまで縮んだかも合わせて見る。

東京都民の1票は、鳥取県民の1票の約半分の価値しかない——議席1つあたりの人口で単純計算すると、それが現行配分の実態だ。「一票の格差」とは、選挙区によって議員1人が代表する人口が異なることで、1票の実質的な価値に差が生まれる現象を指す。この記事では、2020年国勢調査の実際の人口と、現行289議席の都道府県別配分(このサイトの核となるデータセット、10増10減前の2017/2021年区割り基準)から、都道府県ごとの「議席1つあたりの人口」を計算して比較した。

東京都と鳥取県で2.03倍の差

1票の価値: 最も「軽い」都道府県 vs 最も「重い」都道府県(議席1つあたり人口)

格差比2.03

東京都最も軽い561,904人/議席
鳥取県最も重い276,704人/議席

議席1つあたりの人口が最も多い、つまり1票の価値が最も「軽い」のは東京都(561,904人/議席)。逆に最も「重い」のは鳥取県(276,704人/議席)で、東京都民1人の1票は鳥取県民の1票の0.49倍の価値しかない計算になる。

データを表で見る
項目
東京都561,904人/議席
神奈川県513,185人/議席
愛知県502,828人/議席
埼玉県489,651人/議席
千葉県483,422人/議席
鳥取県276,704人/議席
和歌山県307,528人/議席
香川県316,748人/議席
秋田県319,834人/議席
長崎県328,079人/議席

両極の顔ぶれを見ると構造がはっきりする。「軽い」側の上位5つ(東京都・神奈川県・愛知県・埼玉県・千葉県)はすべて首都圏・中京圏の人口集中都県で、うち3都県(東京都・神奈川県・愛知県)は議席1つあたり50万人を超えていた。「重い」側の下位5つ(鳥取県・和歌山県・香川県・秋田県・長崎県)はいずれも人口減少が続く県だ。注目すべきは、鳥取県が2位の和歌山県(307,528人/議席)にも11%の差をつけて突出していること——「最小の県にも小選挙区を2つ置く」という配分の下限が、この1県だけで格差比を大きく押し上げている。

2022年の区割り改定でどれだけ縮んだか

前の記事で見た「10増10減」後の実際の議席数で同じ計算をやり直すと、最も軽いのは岡山県(472,108人/議席)、最も重いのは変わらず鳥取県(276,704人/議席)で、格差比は1.71まで縮小している。「議席1つあたり50万人超」の都県は改定前の3つから0になり、上位側の突出はほぼ解消された。東京都はこの改定で議席を5増やしたことで、単独最大の格差要因ではなくなった——象徴的なのは、改定後の「最も軽い」県が人口集中の東京都ではなく岡山県(−1で議席が減った側)に変わったことだ。上位側をならした結果、残る格差の主因は下限側(鳥取県)に移っており、1.7倍という差は依然として残っている。「10増10減」は格差を大きく縮めたが、解消はしていない。

改定後(実際の新区割り・議席数): 最も「軽い」県 vs 最も「重い」鳥取県

格差比1.71

岡山県最も軽い・改定後472,108人/議席
鳥取県最も重い・改定後276,704人/議席
この記事の主ランキング(上のチャート)は、現行サイトの核データセット(10増10減前・2017/2021年区割り基準の289区)の議席配分にもとづく。この節の「改定後」の再計算だけは、2024年から施行された実際の議席数を使っている——その増減の中身は前の記事「10増10減で得した県・損した県」を参照。なお、より厳密な「一票の格差」訴訟で使われる指標は選挙区単位の有権者数比だが、このサイトが選挙区単位で持つ有権者数は推計値(県の名簿を人口比で配分したもの)のため、ここでは実数で計算できる都道府県単位の人口比のみを使っている——推計値で選挙区単位の格差を主張することはしない。

この格差は「誰の」問題か

一票の格差はしばしば都市対地方の対立として語られるが、上の数字が示すのはもう少し細かい構造だ。改定前の時点で50万人/議席を超えていたのは東京・神奈川・愛知の3都県のみで、そこには合計約3,083万人——全国人口の約24%——が住んでいた。つまり改定前の配分は、国民の約4分の1に対して系統的に「軽い」1票を与えていたことになる。サイト本体のシナリオツール②「一票の格差是正シミュレーション」では、この同じ2020年国勢調査人口を使って「完全に人口比例で289議席を配り直したら各県何議席になるか」を最大剰余法で計算できる——この記事の都道府県別の数字は、そのシミュレーションの入力そのものだ。

この記事の数値はすべて、総務省公表の候補者別・市区町村別得票や2020年国勢調査などの公的データから、当サイトが独自に集計・計算したものです。チャートも既存の描画ライブラリではなく、このサイト独自のコンポーネントで生成しています。 手法の詳細は各セクションの注記、サイト全体の前提・データの範囲・既知の制約は 計算方法ページ に集約しています。

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