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データ分析記事 / 20年後、自民と立憲は逆転する?——世代交代シミュレーションで見る「勢力図」

Data Journalism一部グループB(仮定を含む推計)

20年後、自民と立憲は逆転する?——世代交代シミュレーションで見る「勢力図」

サイト本体の世代交代シナリオ(グループB・仮定を含む推計)をそのまま10年後・20年後に適用。高齢化の進み方は政府統計(IPSS)の実データだが、「どちらの党に追い風か」は開発者が決め打ちした仮定——前提を明記した「方向性の参考」として読む記事。

「若い世代が今の年齢構成のまま高齢化し、政党支持の世代差がそのまま続いたら10年後・20年後の議席分布はどうなるか」——サイト本体のシナリオシミュレーター「⑧世代交代シミュレーション」(グループB)のロジックをそのまま10年後・20年後に適用してみた。この記事の執筆にあたり、国立社会保障・人口問題研究所(IPSS)が2023年に公表した「日本の将来推計人口(令和5年推計)」を新たに取り込み、モデルの一部を実データで裏付ける改修を行った。

それでも、これは予測ではない。今回の改修で実データ化されたのは「年数が経つとどれだけ高齢化が実際に進むか」という部分だけだ。IPSSの中位推計によれば、日本の65歳以上人口割合は2020年の28.6%から2070年の38.7%まで、単純な一直線ではなく年によってペースが変わりながら進む——このサイトはその実際のペースを使うようにした。一方、「高齢化がどちらの政党への追い風になるか」という部分(ILLUSTRATIVE_YOUNGER_VOTER_SKEW)は、依然として開発者が手で決め打ちした、NHK等の出口調査で一般に報じられる年代別支持傾向の方向性を参考にした仮定にすぎない。サイトの計算方法ページが定義する「グループB:仮定を含む推計」に該当し、具体的な議席数を将来予測として引用すべきではない——あくまで「方向性の参考」として読んでほしい。

このモデルが唯一「実データ」として組み込んでいる部分——65歳以上人口割合の実際の推移(IPSS・令和5年推計、中位仮定)——をそのままグラフにすると、ペースの変化がひと目でわかる。

0.0%10.2%20.3%30.5%40.6%2020202520302035204020452050205520602065207065歳以上人口割合 / 2020: 28.6%65歳以上人口割合 / 2025: 29.6%65歳以上人口割合 / 2030: 30.8%65歳以上人口割合 / 2035: 32.3%65歳以上人口割合 / 2040: 34.8%65歳以上人口割合 / 2045: 36.3%65歳以上人口割合 / 2050: 37.1%65歳以上人口割合 / 2055: 37.6%65歳以上人口割合 / 2060: 37.9%65歳以上人口割合 / 2065: 38.4%65歳以上人口割合 / 2070: 38.7%65歳以上人口割合
データを表で見る
20202025203020352040204520502055206020652070
65歳以上人口割合28.6%29.6%30.8%32.3%34.8%36.3%37.1%37.6%37.9%38.4%38.7%

ベースライン(2021年実データ)と2つの投影

ベースライン(2021年実データ、465議席)

10年後投影(グループB・仮定含む)

20年後投影(グループB・仮定含む)

このモデルの前提(若年層ほど自民・公明離れ、維新・国民民主寄り)を、IPSS実データに基づく実際の高齢化の進行ペースで伸ばしていくと、20年後には自民党が245議席から143議席へ、立憲民主党が100議席から228議席へと、モデルの中では逆転する結果になる。これはモデルの前提をそのまま外挿した結果であり、実際にこうなると主張するものではない(前提の内訳は冒頭の注記のとおり)。この前提の強さを変えたときに結果がどれだけ揺れるかは、続く「世代交代シミュレーションの感度分析」の記事で具体的に検証している。

政党2021年実データ10年後(モデル)20年後(モデル)
自由民主党245235143
立憲民主党100158228
日本維新の会313448
公明党291311
国民民主党23818
日本共産党811

表にすると、このモデルの動き方の癖も正直に見える。最大の動きは自民党(245143)と立憲民主党(100228)の付け替えだが、国民民主党の行は10年後に8議席まで沈んでから20年後に18議席へ「戻る」という単調でない動きをしている——連続的な仮定を入れても、小選挙区の1位総取りとドント式のしきい値効果で議席数はこのように不連続に跳ねる。モデルの出力を1議席単位で読むことに意味がない実例として、あえてそのまま載せておく。さらに、このモデルは現実の20年間に起こるであろう政党の新規参入・再編(実際、2024〜2026年だけでもこれだけの再編が起きた)を一切扱えない。20年後の政党システムが2021年と同じ顔ぶれだという暗黙の前提自体が、既に2026年時点で崩れている——この記事の数字を「参考」以上に読めないもう一つの理由だ。

なおこの記事では、グループB(仮定を含む推計)の性質上、個別の実在候補者名は挙げない方針を取っている。「このモデルではX氏が議席を失う」という書き方は、手作りの仮定の産物を実在の個人の予測のように見せてしまうためだ。実データのみの記事(鉄板区・接戦区など)が候補者名を具体的に挙げているのとは、意図的に扱いを変えている。

選挙区レベルで見る:モデルが逆転を生む具体例

例えば滋賀県第4区(年少人口割合13.3%)では、2021年実績では自由民主党86,762票で勝っていたが、10年後モデルではこの選挙区の年少人口割合による重みづけの結果、自由民主党が上回る計算になる。年少人口割合が高い選挙区ほど、このモデルでは変化が大きく出る——それがモデルの設計そのものであり、その選挙区固有の実際の政治力学を捉えたものではないことに注意してほしい。

なぜこの記事はまだ「参考」止まりなのか

以前のバージョンのこのモデルは「20年後」を単純に0〜20年の直線で換算しており、その換算自体に何の根拠もなかった。今回、国立社会保障・人口問題研究所(IPSS)が2023年に公表した将来推計人口(令和5年推計・中位仮定、2020〜2070年)を取り込み、「その年数の間に実際に高齢化がどれだけ進むか」を政府の公式推計値に置き換えた——これは正真正銘の実データによる改善だ。

それでも「グループB:仮定を含む推計」のままなのは、年代別の政党支持傾向を実際に将来にわたって推計したデータセットがこの世に存在しないからだ(あるのは今この瞬間の世論調査だけ)。この記事は「実データに基づく将来予測」ではなく、「高齢化の実際のペース × 手作りの政治的仮定」という思考実験として読んでほしい。

この記事の数値はすべて、総務省公表の候補者別・市区町村別得票や2020年国勢調査などの公的データから、当サイトが独自に集計・計算したものです。チャートも既存の描画ライブラリではなく、このサイト独自のコンポーネントで生成しています。 手法の詳細は各セクションの注記、サイト全体の前提・データの範囲・既知の制約は 計算方法ページ に集約しています。

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