データ分析記事 / 公明党が2026年の衆院選から姿を消した、その議席への影響
公明党が2026年の衆院選から姿を消した、その議席への影響
連立離脱・新党合流を経て、公明党は2026年衆院選の小選挙区にも比例代表にも候補者を1人も残さなかった。かつての4選挙区で何が起きたかを実データで検証する。
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公明党は2009年から2024年まで、すべての衆院選で小選挙区に7〜11人の候補を立て、0〜9議席を得てきた。ところが2026年2月の第51回衆院選では、小選挙区・比例代表のいずれにも「公明党」の党名を掲げた候補は1人もいなかった。2025年の自民党との連立解消を経て、所属議員は立憲民主党の一部議員と合流し新党「中道改革連合」を結成——公明党という党名そのものが選挙から消えた形だ。この記事では、公明党が実際に議席を持っていた小選挙区にその後何が起きたかを実データで検証する。
7〜11人だった候補者数が、2026年にゼロへ
11人 / 4議席
2024年 候補者数/議席
第50回
0人 / 0議席
2026年 候補者数/議席
第51回
10.9% → 0.0%
比例得票率
2024→2026
データを表で見る
| 2009 | 2012 | 2014 | 2017 | 2021 | 2024 | 2026 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 公明党 小選挙区候補者数 | 7人 | 9人 | 9人 | 9人 | 9人 | 11人 | 0人 |
データを表で見る
| 2009 | 2012 | 2014 | 2017 | 2021 | 2024 | 2026 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 公明党 小選挙区議席数 | 0議席 | 9議席 | 9議席 | 8議席 | 9議席 | 4議席 | 0議席 |
2024年(第50回)時点でも既に候補者数は11人・議席4に落ち込んでいた(自公の選挙協力が既に揺らいでいた時期と重なる)。それが2026年には両方ともゼロになった——「徐々に減った」の延長ではなく、党名そのものが消えたことによる断絶だ。
最後の11人——2024年の公明党小選挙区候補の全員
公明党として最後の小選挙区候補となった2024年の11人は、全員を名前つきで並べられる規模だ。勝った4人だけでなく、落選した7人の負け方にも情報がある。
| 選挙区 | 候補者 | 得票 | 得票率 | 結果 | 同区の2026年当選者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 広島県第3区 | 斉藤てつお | 86,654 | 47.2% | 当選 | 石橋林太郎(自由民主党) |
| 北海道第10区 | いなつ久 | 75,990 | 49.2% | 2位 | 神谷ひろし(中道改革連合) |
| 兵庫県第8区 | 中野ひろまさ | 71,784 | 38.3% | 当選 | 青山繁晴(自由民主党) |
| 兵庫県第2区 | 赤羽かずよし | 70,018 | 37.2% | 当選 | 阿部けいし(日本維新の会) |
| 大阪府第6区 | いさ進一 | 69,058 | 34.9% | 2位 | 西田薫(日本維新の会) |
| 大阪府第5区 | 国重とおる | 65,872 | 30.2% | 2位 | 梅村さとし(日本維新の会) |
| 愛知県第16区 | 犬かい明佳 | 63,095 | 31.3% | 2位 | 山下しずお(自由民主党) |
| 埼玉県第14区 | 石井啓一 | 60,249 | 31.6% | 2位 | 藤田まこと(自由民主党) |
| 東京都第29区 | 岡本みつなり | 60,100 | 33.2% | 当選 | 長沢こうすけ(自由民主党) |
| 大阪府第16区 | 山本かなえ | 55,474 | 32.7% | 2位 | 黒田まさき(日本維新の会) |
| 大阪府第3区 | 佐藤しげき | 52,107 | 28.9% | 2位 | 東とおる(日本維新の会) |
この表で最も惜しかったのは北海道第10区のいなつ久氏——得票率49.2%の2位で、当選ラインまであと一歩だった。その同じ選挙区は2026年、神谷ひろし氏(中道改革連合)が全国で最も僅差(0.01ポイント差)の勝負を制した選挙区になっている——公明党の組織票が乗っていた選挙区が、その消滅後に全国一の接戦区になったという並びは示唆的だが、票がどう動いたかまでは実データからは分からない。

写真: 首相官邸ホームページ (CC BY 4.0)
もう1つの塊は大阪だ。4人(6区のいさ進一氏、5区の国重とおる氏、16区の山本かなえ氏、3区の佐藤しげき氏)が全員、日本維新の会の候補に敗れて2位——得票率は3割前後で並んでいる。公明党が長年議席を持ってきた関西の選挙区群が2024年時点ですでに維新に奪われており、2026年もその全区で維新が勝ち続けている(表の右端の列)。埼玉14区で落選した石井啓一氏のように、公明党の代表経験者(報道ベースの補足)もこの11人に含まれている。

写真: 首相官邸ホームページ (CC BY 4.0)
2024年に議席を持っていた4選挙区、2026年はどうなったか
2024年に公明党候補が実際に勝っていた4選挙区(東京29区、兵庫2区、兵庫8区、広島3区)を2026年の実際の結果と照合すると、4区すべてで自民党または日本維新の会の候補が当選し、当落差は18〜22ポイントに達している。
| 選挙区 | 2024年 公明党候補 | 2024年 得票率 | 2026年 当選者 | 2026年 当落差 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都第29区 | 岡本みつなり | 33.2% | 長沢こうすけ(自民) | 18.1pt |
| 兵庫県第2区 | 赤羽かずよし | 37.2% | 阿部けいし(維新) | 19.9pt |
| 兵庫県第8区 | 中野ひろまさ | 38.3% | 青山繁晴(自民) | 19.1pt |
| 広島県第3区 | 斉藤てつお | 47.2% | 石橋林太郎(自民) | 21.7pt |
4区すべてで「2024年の公明党候補の得票数は、2026年の実際の当落差を上回っていた」(4/4区)。例えば広島3区では2024年の公明党候補が86,654票(得票率47.2%)を得ていたのに対し、2026年の当落差は42,377票——もし同規模の票がそのまま公明党(ないし後継候補)に入っていれば、当落差を上回っていた計算になる。
実は「撤退」ではなく、あえての選択だった側面も
公明党関係者へのメディア報道によれば、中道改革連合は候補者調整において公明党出身の有力候補を小選挙区から意図的に外し、比例代表の各ブロック名簿上位に配置する戦略を取ったとされる(日本経済新聞、公明党公式サイトの選挙結果分析)。結果として中道改革連合全体は候補を立てた202区中7議席という記事冒頭の惨敗に終わったが、公明党出身の候補に限れば比例名簿上位配置によって議席を確保できた者が多かったと報じられている——党全体の苦戦とは対照的に、公明党という個別のグループにとっては、小選挙区で無理に戦うより比例に回った方が「勝算」があったという計算が働いていた可能性がある。ただしこのサイトの実データは候補者の出身政党(公明党出身か立憲民主党出身か)までは区別して集計できないため、この内訳は報道の引用として扱う。
まとめ:4議席分の「即時の代償」と、党全体としての賭け
実データで確認できる限りでは、公明党が小選挙区候補をゼロにしたことで、2024年時点で実際に持っていた4議席は2026年にすべて失われ、しかも4区すべてで「同規模の票が残っていれば当落差を超えていた」計算になる——小選挙区に関する限り、これは明確な代償だったと言える。一方で比例代表側では、報道ベースではあるが公明党出身候補の当選率の高さが伝えられており、党全体(中道改革連合)としての大敗とは別に、公明党というグループ単位で見た「小選挙区を捨てて比例に集中する」判断が結果的にどう出たかは、実データと報道の両方を突き合わせてようやく見える、一枚岩ではない結末だった。中道改革連合全体の小選挙区での苦戦は「新党『中道改革連合』はなぜ得票18%で議席7しか取れなかったのか」の記事で、2024年からの変化全体は「2024年→2026年、何が一番議席を動かしたか」の記事でそれぞれ詳しく検証している。
この記事の数値はすべて、総務省公表の候補者別・市区町村別得票や2020年国勢調査などの公的データから、当サイトが独自に集計・計算したものです。チャートも既存の描画ライブラリではなく、このサイト独自のコンポーネントで生成しています。 手法の詳細は各セクションの注記、サイト全体の前提・データの範囲・既知の制約は 計算方法ページ に集約しています。
